君の名前で僕を呼んで(Call me by your name)における、卵の役割

君の名前で僕を呼んで』における、卵の役割

 

 

 ↑Blu-rayが出るのですな....!

 

 

実はこれは、もふもふの友人がさらっと言ったのですが、そこからもふもふが派生させてみたよ!

もちろん、友達からはOKをもらっています。

 

みんなアプリコットに目が行くのに、彼女の目の付け所は本当、凄いなと思うのですよ。

 

それは私と彼女がcall me by your nameについて新宿で語っていた時のことである....

 

もふもふ:それにしても、エリオ達の朝ごはんが本当に美味しそうで羨ましいよね~毎日ホテル並みに食べているよね~

友人:そういえば気になったんだけど、あの話、卵のシーンが多いよね。あれは何かのモチーフなのかしら?

もふもふ:え~そうだっけ~

 

と、そこでもふもふは気にしなかったのですが、少し時間が経ってからすごく気になって仕方がない状態に...

 

そもそも、小説でまったく無駄な行やシーンってないのですよ。

自分が作者になった時に無駄なエピソードとか行とかいれないですよね。

 

ということで、日本語版を読みながら少しだけ考えようと思います。

 

卵のシーンと言ってまず思いつくのは、エリオとオリヴァーとの関係性です。

 

書かれているのは48、191(記念すべき初夜を迎えた日にいきなりこの卵が出てくるなんて、絶対に何かあるはず。。。!)、そして212ページですね。ほかにもあったら教えてください。

3回も出てくるなんて、絶対に作者は意図的にこのシーンを入れているとしかおもえないのですが...

映画でもオリヴァーが卵を割れないシーンありますし。

 

さて、作品で完璧な人物として描かれ、全てにおいてエリオに勝っている(とエリオは勝手に思っている)オリヴァーが唯一出来ないのが、朝食の時に出てくる卵を割ることです。

 

そこでは、彼が『アメリカ人』=異国から来た人という面が強調されています。また、卵を割ってあげることはエリオにとって唯一彼にしてあげられることですね。

 

ここにエリオのオリヴァーに対する、ある種母性的な愛情、あるいは二人の関係において、エリオの優越性がみられるのかなと思います。

 

最初はマファルダがするのですが、僕は『衝動にとらわれて(p.212)』割ってあげます。それをみたエリオパパンはその驚くべき洞察力で何か見抜くのですが...

さすが大学教授!

 

けれど、個人的に一番興味が湧いたのは、卵を『割る』という行為自体がクローゼットから出てくるという行為を表していて(意味が分からない人はググってみてください)、今までの人生で抑えていたオリヴァーの『セクシュアリティ』を開放するというメタファーになっているのかしら、と考えました。

 

原作エリオは既に男性経験があるようだし、割と性に奔放な青年ですよね。

それに対してオリヴァーはエリオに会うまで、それはなかったのかなという感じがします。

 

卵の殻を破る、というのが作中にたびたび出てきて、オリヴァーの『解放』を意味しているのかなと思いました。

 

 とかおもっていたら、友人は、

 

あ、フッセのデミアンのことだよ~

 

デーミアン (古典新訳文庫)

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とかさらっと言われて、この人にはかなわないな★と思ったのでした。

ちなみにヘッセです。フッセぢゃない。

 

Call Me By Your Name

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君の名前で僕を呼んで (マグノリアブックス)

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